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4つの1,000万円~その③~

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自己資本1,000万円を目指す理由について考えてみます。

まず、自己資本とは何でしょうか?
どこを見たらわかるのか?

決算書のうち、貸借対照表を見てください。
右側(貸方といいます)の下部に純資産の部という項目があります。
この純資産の部の別名が自己資本ということになります。

この自己資本を増やす方法は、非上場の中小企業においては限られており、
増資か純利益の計上に絞られます。
増資とは経営者が自らの資金を会社に入れることを意味しますので、
ここではいったん脇においておきます。
そうすると、自己資本を増やすためには、
利益を出来るだけ多く計上することが必要になります。

ここでいう利益は当期純利益のことで、
法人税等の税金を支払った後の利益になります。

節税に関心のある経営者の方も多いと思いますが、
ここで税金の計算式を考えてみましょう。
税金=税引前利益×税率

税率は企業努力では変えられないため、
税金を減らす(=節税する)ということは、利益を減らすことに他なりません。
利益を計上しないと自己資本は増えませんから、
節税をすると自己資本は増えません。

自己資本が最低でも1,000万円を超えるまで、
1,000万円を超えている場合でも、自己資本比率が20%を超えるまでは
節税など考えずに利益を積み上げることを考えましょう。

自己資本の額と自己資本比率は銀行評価の観点からも重要です。

(参考)スタートアップ経営者が気にすべき4つの指標
①会社の経常利益
②社長の役員報酬
③会社の自己資本(または手元現預金)
④社長個人の手元現預金

〔追記〕
節税全般を否定しているわけではなく、

大した利益も出ていないのに節税をするのは愚かな行為ですよということを言いたい訳です。
毎期、多額の利益が出すぎてどうしようもない場合は、節税を含めて考慮することは一理あると思います。