足立修平公認会計士事務所

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4つの1,000万円~その②~

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役員報酬1,000万円を目指す理由について考えます。

役員報酬は費用になりますので、役員報酬を多く取ると、
その分経常利益は減少します。

オーナー社長の場合、役員報酬を差引く前の利益を
会社と社長とで折半すると考えていただくと分かりやすいと思います。

まず、税金面からみてみます。
個人の税金は累進課税制度(所得が大きくなるほど税率が上がる仕組み、最大で55%)、
会社の税金は2段階(利益800万円までは25%、800万円を超えると34%)
となっており、所得が少ないうちは個人のほうが税率が低くて有利、
所得が大きくなると個人の税率があがってくるため
法人のほうが税率が低くなります。
この個人と法人の税率が近郊するのが1,000万円前後ということになります。

したがって、役員報酬を高くすると税金で損すると思い込んでいる方も
多くいますが、1,000万円までは迷わず役員報酬を増やして差支えありません。

次に、金融機関の目線で考えてみます。
金融機関が会社の決算書を見る場合、
役員報酬はチェックポイントの1つになります。

金融機関からすると利益が出ている会社でないと貸しにくいわけですが、
役員報酬を削って利益を捻出している状況になっていないかをチェックします。
一般的には役員報酬が600万円~700万円程度が目安となりますので、
1,000万円であれば、融資を受けるという観点からも補正を受けられる可能性があります。

さらに、④の社長の個人資金1,000万円を確保するうえでも
生活費を支払った後にある程度の資金が残るようにしなければなりません。
この点からも役員報酬1,000万円は確保したいところです。

いかがだったでしょうか。
皆様のご理解に少しでも役立てたならうれしいです。

(参考)スタートアップ経営者が気にすべき4つの指標
①会社の経常利益
②社長の役員報酬
③会社の自己資本(または手元現預金)
④社長個人の手元現預金