4つの1,000万円~その①~
その①経常利益1,000万円を目指す理由について考えてみます。
大前提として売上高数千万円から3億円程度、従業員10名程度までの中小企業を想定しています。
まず、①経常利益と③役員報酬との関係です。
経常利益は売上高から各種の費用を差し引いて計算します。
役員報酬は費用の一部になりますので、
役員報酬を高くするほど経常利益は減少し、
低くするほど経常利益は増加します。
次に税金面から考えてみます。
法人税・住民税・事業税の負担率は、利益800万円までは約25%となっており、
低く抑えられています。800万円を超える部分については約33%です。
利益が1,000万円のとき、会社が支払う法人税等の合計は約270万円となり、
残りの730万円を内部留保に回すことができます。
一方、役員報酬1,000万円のときの税金、社会保険料等を合わせると約270万円となり、手取りは730万円となります。
会社の利益を残すか、役員報酬を増やすかの均衡点は、
ちょうど1000万円前後になります。
この両者のバランスを取っていくことが大事です。
3つ目に、現実的な難しさです。
国税庁が毎年公表しているデータによると全企業のうち黒字決算の(つまり利益がプラス)会社は35%前後です。
このうち経常利益1,000万円を超えていて、さらに毎年継続している会社となるとさらに少数(私の肌感覚では5%以下)になります。
業界の中で上位5%に入ればビジネスとしてある程度成功していると言えるのではないでしょうか。
役員報酬とのバランスを取りながら経常利益1,000万円を目指しましょう。
(参考)スタートアップ経営者が気にすべき4つの指標
①会社の経常利益
②社長の役員報酬
③会社の自己資本(または手元現預金)
④社長個人の手元現預金