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粗利率の違いによる戦略の差

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経営者が自社を財務の視点から理解する場合、
粗利率(変動比率)と固定費の把握が極めて重要になります。
さらにこれらは企業が選択すべき戦術にも影響を及ぼします。

例えば、以下のような同規模の2つの会社があったとします。

A社(卸売業)
売上高  10,000(単価100×数量100)
変動費率  80%
固定費   1,000
経常利益  1,000

B社(飲食業)
売上高  10,000(単価100×数量100)
変動費率  30%
固定費   6,000
経常利益  1,000

このとき10%の値引きをした場合、
経常利益1,000を稼ぐためには売上高(数量)を
どれだけ増やさなければならかいか?

A社
粗利益=固定費+経常利益なので、2,000の粗利益を稼ぐ必要があります。
変動費率は80%から88.8%に変化し、粗利率は11.1%となります。
したがって、必要な売上高は、
2,000÷11.1%≒18,000になります。
(単価90×数量200)

B社
粗利益=固定費+経常利益なので、7,000の粗利益を稼ぐ必要があります。
変動費率は30%から33.3%に変化し、粗利率は66.7%となります。
したがって、必要な売上高は、
7,000÷66.7%≒10,500になります。
(単価90×数量116.6)

A社のように粗利率が低い(変動費率が高い)ビジネスモデルの場合、
値引きをすることによる影響は大きく、
同じ経常利益を稼ぐためには大幅に販売数量を増やさなくてはなりません。
したがって、安易な値引きは命取りとなります。

一方、B社のように粗利率が高い(変動費率が低い)ビジネスモデルの場合、
一定程度の値引きにより、大きく販売数量が増えるならば、
値引きは有効な戦術となり得ます。

まとめ
値引きはビジネスモデルと損益構造によっては有効な手段となり得ますが、これらを理解せずに安易な値引きを行うと命取りになります。