足立修平公認会計士事務所

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値引きの恐怖

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自社の商品やサービスについて値引きをしたことがありますか?

値引きをする理由は様々ですが、以下のような理由があげられます。
・販売数量を増やしたい
・過去に価格で失注したことがある、
・値引きしないと買ってくれないかも知れないという心理
・早く注文、契約を取りたい
・次回以降も発注してほしい
・新商品や新サービスなどの認知度を高めたい

値引きをすることで大幅に販売数量が増えると良いのですが、
値引きをしても変動費率と固定費はほとんど変わりません。

販売数量が一定だとすると、値引きした分、そのまま利益が減少します。
仮に、価格100の商品を100個販売して、売上高が10,000だったとします。
変動費率が50%、固定費が4000のとき、以下のようになります。
売上高 10,000
変動費  5,000
固定費  4,000
経常利益 1,000

このとき価格を10%引きにすると、利益はゼロになり、10%以上の値引きをすると赤字になってしまいます。
売上高  9,000
変動費  5,000
固定費  4,000
経常利益 0

仮に価格10%引きで、初めと同じ経常利益1,000を確保したい場合、
販売数量を25%増やさなければなりません。
売上高  11,250(90×125=11,250)
変動費   6,250
固定費   4,000
経常利益  1,000

10%引きというと大した値引きではないように思えるかも知れませんが、
販売数量を25%増やすことはなかなか大変ではないでしょうか。

低価格戦略は基本的に強者の戦略です。
中小零細事業者安易な値引きは自分の首を締めることになりかねません。
自社のビジネスモデル、コスト構造などをよく理解したうえで価格戦略を策定する必要があります。