利益とキャッシュ・フローの違い
利益とキャッシュ・フローの違いを理解していますか?
会社の利益は、すべての売上から、
発生したすべての費用を差し引くことで計算できます。
キャッシュ・フローは、すべての入金額から、
すべての支払額を差し引くことで計算できます。
こうしてみると同じことを言っているように思われる方もいるかも知れません。
確かに長期的に見れば、利益とキャッシュ・フローは一致します。
しかし、短期的に見るならば、利益とキャッシュ・フローにはズレが生じてきます。
簡単な設例で見てみましょう。
【設例】
〔1月〕
商品を代金100で仕入れた。代金は翌月末に支払う。
商品販売のために広告宣伝費100を支払ってチラシを配布した。
〔2月〕
仕入れた商品を300で販売した。代金は翌月末に回収する。
仕入代金100を支払った。
〔3月〕
販売代金300を回収した。
このとき、各月の利益とキャッシュ・フローは以下のようになります。
利益 | キャッシュ・フロー | |
1月 | △100 | △100 |
2月 | 200 | △100 |
3月 | 0 | 300 |
合計 | 100 | 100 |
※商品は仕入れただけでは費用にならず、販売した時に費用になります。
1月は広告宣伝費の発生100、支払100で、売上も入金もゼロなので、
利益、キャッシュ・フローともマイナス100です
2月は売上300、商品の売上原価100で差し引きして利益は200、
キャッシュ・フローは仕入代金100を支払ったのでマイナス100です
3月は売上、費用ともゼロなので、利益もゼロ、
キャッシュ・フローは販売代金の回収300があるのでプラス300です
このように3か月間トータルで見ると
利益とキャッシュ・フローは一致しますが、
仕入、支払、販売、回収のタイミングのズレによって各月の利益とキャッシュ・フローは違ってきます。
この設例では、支払タイミングのほうが先なので、
手元資金を準備しておく必要があります。
多くの企業では支払が先、回収が後になる傾向があります。
利益とキャッシュ・フローの違いを把握して、
手元資金をコントロールすることを資金繰りといいます。