減価償却費とキャッシュ・フローの関係
売上や利益の増減と資金の増減にはズレがあります。
減価償却費はキャッシュ・アウトのない経費です。
通常は、商品や残材料を購入した時や、サービスを利用した時に経費計上し、
その時点や翌月末などの条件で支払います。
一方で、減価償却は、固定資産購入時に代金を支払い、
その後、耐用年数にわたって減価償却費を計上していきます。
減価償却費は経費になりますが、お金の支払いはないため、
購入年度は利益に比べてキャッシュ・フローが少なくなり、
次年度以降は利益よりキャッシュ・フローが多くなります。
数値例で示すと以下のようになります。
【設例】
毎年の経常利益:100
固定資産の取得価額:200
耐用年数:4年
減価償却方法:定額法
1年目 | 2年目 | 3年目 | 4年目 | |
経常利益 | 100 | 100 | 100 | 100 |
購入 | △200 | |||
減価償却費 | 50 | 50 | 50 | 50 |
キャッシュ・フロー | △50 | 150 | 150 | 150 |
1年目は利益はプラス100ですが、キャッシュ・フローはマイナスなので、会社の資金残高は減少することになります。
2年目以降は、減価償却費の効果が出るため、利益以上にキャッシュ・フローが増えることになります。
このように減価償却費は、利益とキャッシュ・フローのずれの大きな要因になりますので、
自社の減価償却費を把握しておくことが大切です。
減価償却費は過去の購入した固定資産の取得価額を基に計算するので、
翌期以降の金額も確定していることも特徴です。