黒字倒産を防ぐには?
企業の倒産のうち40%以上を占める黒字倒産。
これを防ぐためにはどのような備えが必要でしょうか?
まず、究極的には、潤沢な手元資金があれば倒産することはありません。
しかし、すべての企業が潤沢な手元資金を持っているわけではありません。
黒字倒産を防ぐには資金繰りの余裕を持つことです。
以下でその対応策を見ていきます。
①入出金の状況を把握すること
まずは、毎月の入出金の状況を把握することが必要です。
売上の入金がいつどれくらい予定されているのか?
実際に予定通り入金されたか?
仕入代金や給料、諸経費の支払はいつ、いくらなのか?
借入金の返済額は?
以上のことをふまえて銀行残高は足りるのか?
入出金の管理は資金繰り表を作成することで対応できます。
②取引条件の見直し
売上代金の回収時期を早め、仕入代金等の支払時期を遅らせることで資金に余裕が生まれます。
これは裏を返せば、取引相手の資金繰りが悪くなるため
すべての取引相手が応じてくれる訳ではありませんが、
黒字であれば取引相手からの信用も上がるため、取引条件交渉に応じてくれる可能性も高くなります。
回収日や支払日を1か月変更することは難しくても、
同じ月内でも20日払い、25日回収を、
25日払い、20日回収にするだけでも1か月分の資金の余裕が生まれます。
③在庫管理
在庫は資金が姿を変えたものです。
余剰在庫を持つことは資金繰りを悪化させる原因になります。
在庫を持たずに販売機会を逃してはいけませんが、
在庫数や在庫金額が過剰にならないように管理をすることで資金繰りを適正化することに役立ちます。
④金融機関との関係構築
事業が黒字であれば、金融機関からの借入によって
手元資金を確保することもできます。
ただし、いきなり金融機関を訪問して融資を申し込んでもすぐには融資はしてくれません。
日頃からの金融機関への情報提供、関係構築をしておくことが重要です。
金融機関との関係構築は、黒字で業績が良いときほど効果が高くなります。
融資条件や審査のポイントは金融機関によって少しずつ異なります。
できれば1行だけでなく、複数の金融機関との関係構築をしておくと万全です。
⑤専門家を利用する
以上のことを備えておくと、資金管理が適正化され、黒字倒産のリスクは極小化できます。
自社の人材だけで対応出来ない場合には、
専門家の力を借りることも有効な手段です。