手元資金はどれくらい必要か?
安定的な事業運営をするためには、
どれくらいの手元資金を保有しておくべきでしょうか?
会社の業種や成長ステージによって異なるものの、
一般的には少なくとも月商の3ヶ月分、
あるいは固定費の6ヶ月分の資金を確保しておくべきです。
年間売上1億円の会社であれば、現預金残高2,500万円は確保しておきたいところです。
手元資金を確保しておくことで、販売不振や売掛金の回収遅延に
対処するための時間的な余裕を持つことができます。
経営者の精神的な余裕を保つうえでも安心材料になるでしょう。
私はこれまで公認会計士・税理士として,
数えきれないほどの数の会社の決算書を見てきましたが、
自社にとって必要な運転資金を把握して、
資金繰りを考えることのできている経営者は極めて少数、
私の肌感覚では5%以下です。
東京商工リサーチの調査によると、
ここ数年の企業倒産件数は、8,000社前後で推移しており、
なんとそのうち40%以上が黒字倒産となっています。
黒字であるということは、売上があがって利益を稼げている会社であり、
商品やサービスが世の中に受け入れられているということです。
資金繰りを適切に管理出来ていれば、本来、倒産する必要のない会社ですが、
それも含めて経営者の能力、資質の問題です。
実にもったいないことです。